皆様、こんにちは。新宿、銀座、町田、横浜で世界50ヵ国語が学べる語学教室ICC外語学院の小島です。
アメリカ出身のパックマンさんはICC外語学院にて日本語のレッスンを受講されています。
すでに来日されてから20年以上のパックマンさんは、映画「男はつらいよ」の大ファンだそうで、これまでいくつものロケ地を巡っているそうです。
以前、パックマンさんからテレビ番組の「Youは何しに日本へ」に出演されると学校にお知らせをいただきました。
早速、番組を見たところ、パックマンさんが「男はつらいよ」の最後の舞台となった第48作「寅次郎紅の花」の奄美大島を訪れていました。
(パックマンさんが出演された回は2024年2月に放送済みです。)
番組の中で「男はつらいよ」について生き生きと語っているパックマンさんを見て、ぜひお話をさせてもらおうと、インタビューをお願いしました。
―まずは日本に興味を持ったきっかけは何ですか?
パックマンさんがカリフォルニアにいた少年時代の1980年代はアメリカでも在米の日本人向けのテレビ番組が色々と放送されていたそうです。
(パックマンさんと同じ世代の私も懐かしい「3年B組金八先生」もご存知でした。)
テレビで日本のアニメやドラマなどを見て日本に興味を持ち始め、アメリカの大学で東洋学を専攻して日本語を勉強したそうです。
大学では日本語の勉強だけではなく、社会学や文化、仏教なども学び、「男はつらいよ」の映画も大学で初めて見たそうです。
そして大学在学中に京都に留学をされた経験もあるそうですが、卒業後、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)に参加され、新潟県で3年間ほど中学校の英語の先生をされていたときに、奥様と出会い、日本に在住することになったそうです。
―今は何を目標に日本語の勉強をしているのでしょうか?
20年ほど前に以前の日本語能力試験の2級は取得していたそうで、いつか現在の日本語能力試験のN1を目指したいなと思っていたそうです。
そして数年前にアメリカのお母様が亡くなり、落ち込んで寂しい気持ちになっていたときに「何か始めよう」と考え、N1の取得を目標にしようと決めたそうです。
ただ、日本語の勉強はN1の取得だけが目標ではなく、自分の気持ちや考えはある程度は日本語で伝えられるけども、ニュアンスを伝えるのが難しいと感じているそうで、自分で「できたな」と思えるまでが目標とのことでした。
―現在は大抵のことは日本語でコミュニケーションがとれるパックマンさんですが、日本語が話せるようになって嬉しいことは何ですか?
旅をした場所で会った日本の人たちと話せることが楽しい、そして、正しい文法で話すことばかりを気にしないで、人とコミュニケーションをとることが大切、と思っているそうです。
「男はつらいよ」について訊いてみました。
―まずは「寅さん」の何に惹かれるのか?
昭和のころの日本が分かるということもあるけど、深いところでは「寅さん」のまずは気持ちが先にあって、ルールが先ではないところ、あまり心配しないでいいんだ、間違っても大丈夫なんだと思えるところ、とのことでした。
―「男はつらいよ」の一番好きなシーンは?
満男が寅さんに「人間は何のために生きてるのか?」との問いかけに対して寅さんが「うーん、何て言うかな。ほら、ああ、生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間生きてんじゃねえのか」というシーンだそうです。
(「YouTube」でその場面を見せてもらいました。)
―「男はつらいよ」のシリーズはもう終わってしまったけれど、今後はどのように「寅さん」と関わりたいですか?
ロケ地は400箇所ほどもあるそうで、パックマンさんはその中ですでに150箇所ほどは訪ねたそうですが、全部を訪問するとか、数が目標ではないそうです。
パックマンさんにとっては、日本の色々な場所を訪れるきっかけとなったことが、とても良かったそうです。
北海道が好きになったことも、長崎や沖縄に行ったことも、色々な経験をしたことも、みんな「寅さん」のおかげ、なのでこれからも色々なロケ地に行ってみたい、とのことでした。
パックマンさんのインタビューの中で「目標を達成することだけが目標ではない、達成するまでの過程が楽しい」という言葉が印象に残りました。
そしてパックマンさんと話していると、パックマンさんの真面目で飾らない人柄がじわじわと伝わってきて、周りの人をHappyにする雰囲気は「男はつらいよ」の映画にも通じるものがあるように感じました。
ぜひこれからも日本をEnjoyしていただきたいです。