神奈川県近代美術館葉山で開催されているアメリカの現代写真を牽引するアレック・ソスの日本の美術館では初となる個展に行ってきました。
アレック・ソスの被写体となるのは、アメリカの現代的な社会とは馴染まなかったり距離を置いていたり、自分たちの世界の中で生活を送っている人たちです。
写真を見ていると「これは現代なのか?」となんとも不思議な時空間を感じます。
そしてアレック・ソスが本展の出品作品〈Broken Manual〉の撮影の旅を追ったドキュメンタリー映画『Somewhere to Disappear』(2010)が上映されています(※人数制限あり)。
アメリカの現代的な世界とは違う、自分が居心地がよい場所を求めて生きている人や、知らぬ間にそのような生活を選んでいる人など、アレック・ソスはさまざまな人たちを探して撮影をします。
それらの映像はその人たちのありのままの生活や孤独や疎外感を否応なく映しているので、現代の一般的な価値観で捉えると辛辣に感じる場面もあります。
そのドキュメンタリーの中でアレック・ソス自身も「自分は彼らを利用しているのではないか?」と自問自答している場面もありました。
ただの美しい写真や映像ではなく、答えのない問いを観た人に考えさせるような展示会でした。
「アレック・ソス Gathered Leaves」 神奈川県立近代美術館葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2022-alec-soth
10月10日(月・祝)まで開催予定