新宿の高島屋にあるイタリアのカフェ「bicerin ビチェリン」に行ってきました。
「bicerin ビチェリン」は北イタリアのトリノに250年以上の歴史を持つ伝説のカフェです。
店名にもなっているチョコレートドリンクのビチェリンとは、トリノの方言で“小さなグラス”を意味します。ちなみに普通のグラスはイタリア語で「ビッキエーレ」です。
ビチェリンはホットチョコレートと、エスプレッソ・コーヒー、生クリームが小さなグラスに注がれて、3段の美しい層をつくっています。グラスに入っているので冷たいかと思いきや温かい飲み物です。
ビチェリンは多くの歴史的偉人たちにも愛されてきました。イタリア初代首相のカミーユ・ベンソ・ディ・カヴールは王族とコンソラータ大聖堂へは同行せず、大聖堂の向かい側にあったビチェリンのテーブル席に座って、ビチェリンを何杯も飲んで、入り口に王族が現れるのを待っていたそうです。
また、ドイツの哲学者のニーチェ、イタリアの偉大な作曲家のプッチーニたちもビチェリンを愛した顧客でした。そしてヘミングウェイはビチェリンを「世界で残すべき100の物」の1つに選んだと言われています。
1983年に店を引き継いだ女主人のマリテ・コスタは、かつてトリノに花開いたチョコレート文化を研究し、そのオリジナルともいうべきレシピを再現してビチェリンの名を、世界へ広めました。
さらに、店や家具を19世紀当時そのままの姿へと復元することに情熱を注ぎました。2015年にマリテが亡くなった後も、ビチェリンの伝統は今へと引き継がれていきました。
そして、美味しいワインや食事も楽しめます。
また優雅な空間でイタリアのトリノの歴史を感じながらビチェリンを飲みたいと思います。