東京のステーションギャラリーで開催している「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜」展に行ってきました。
藤戸竹喜は1934年に北海道美幌町で生まれ、旭川市で育ちました。木彫り職人の父親の下で12歳の頃からクマ彫りを始めたそうです。
父親にまさかりで切った木の塊を渡され、自分で考えて彫る。父親は気に入らなければそれを火にくべてしまう。そんな繰り返しの中で熊彫りの技を習得したそうです。やがて阿寒湖に移り住み、才能を開花させました。
藤戸竹喜の作品の特徴は、大胆さと繊細さ、力強さと優しさといった、相反するものが同居しているといわれています。実際に作品を前にすると、立体的なバランスがどこから見ても崩れることなく、動物の毛並みも流れるように繊細に彫られていて、ごまかしのない実直さを感じました。
自身もアイヌ民族の子孫で、アイヌ民族の先人たちの姿を等身大で彫った作品や、アイヌに伝わる物語を木彫りで表現した作品もありました。自然と共に生きるアイヌ民族の威厳に満ちた存在感を感じました。
そして銀座のポーラミュージアムで開催中の「-私たちの行-中村萌」展にも行ってきました。
楠などを丸太の状態から削り出し、油絵の具で彩色をしているそうです。
ふっくらした赤ちゃんのようなピンク色の頬がとても愛らしく、そして木の温かみも感じられて、見ていると癒されるようです。
少しずつ開催される展示会の数が増えているようでうれしいです。心のこもった作品からパワーをもらった1日でした。
「木彫り熊の申し子」藤戸竹喜展 9月26日(日)まで
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202107_fujito.html
「our whereabouts – 私たちの行方 -」中村萌展 10月10日(日)まで
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/archive/index.html