正統派フランス菓子の名店の「Au bon vieux temps」のお菓子をいただきました。
小さな色とりどりのプティフールがまるで宝石のようです!
一つひとつが丁寧に作られていて、小さいながらギュッと詰まったそれぞれの風味が奥深くて、次から次へと試したくなります。
プティフールはもともと食後のデザートやビュッフェなどに出される小さめのお菓子です。料理人とパティシエがオーブンを一緒に使っていたので、肉を焼く釜を「グランドフール(大きな釜)」、スイーツ用の釜を「プティフール(小さな釜)」と言いました。その名残で、小さなお菓子は今でもプティフールと呼ばれているそうです。
そもそもフランスのお菓子はなぜこんなにも洗練されているのでしょう?
それは16世紀ルネサンス時代の到来から始まります。16世紀からの近世時代は、王が権力を持つ絶対王政の時代で、この時代はまだ砂糖は非常に高価なものでした。一般庶民には手が出せず、一部の貴族や修道院でのみ使われていました。食事の最後に甘いものを食べる習慣もこの頃に始まりました。
16世紀以降にヨーロッパではアジアなどのヨーロッパ大陸以外の土地をめざした大航海時代が始まります。そして砂糖やチョコレート、コーヒーやバニラなどのお菓子に欠かせない材料が手に入るようになりました。
そして他国との交流の歴史で重要な出来事の一つが婚姻でした。他国からフランスへ嫁いだ妃が、侍女や家具だけでなく料理人やパティシエも同行させ、外国のお菓子もフランスに入ってきました。
その一つがイタリアの名門メディチ家の令嬢であるカトリーヌ・ド・メディシスがアンリ2世との婚姻の為フランスへと渡りました。カトリーヌはとても美食家でパティシエも同行させました。カトリーヌが嫁いだことにより、ビスキュイやマカロンといったお菓子がフランスに伝わりました。
近隣諸国と交流することで、他国のお菓子がフランス風にアレンジをされて進化を続け、フランスのお菓子はさらなる発展を遂げました。