インドでタラブックスという小さな出版社の本を買いました。
タラブックスはチェンナイに工房があります。製作している本の2割ほどはハンドメイドで作られていて、20人ほどの職人がシルクスクリーンの印刷から製本まですべて手作業で行っているそうです。
ハンドメイドならではの温かみのある手触りで、しかもデザインが素晴らしくアート作品のようです。
ハンドメイドの本は数量限定で刷られているそうです。
タラブックスは1994年に設立し、児童文学や教育、社会問題など幅広いジャンルの本を出版し、世界でも高い評価を受けています。ハンドメイドの絵本の『夜の木』は2008年ボローニャ国際絵本原画展でラガッツィ賞を受賞しました。
そして、2001年からはそれまでインド国内でもあまり注目されることがなかった民俗画家たちと一緒に本を作る挑戦を始めました。インドは無数の少数民族があり、政府が認定している数だけでも約460になるそうです。それぞれの文化や歴史は同等に価値のある世界観として尊重し、お互いに対話することを大切にして製作しているそうです。
またタラブックスは印刷工房の職人たちも含めて、40人ほどの小さな組織であることも重要と考えています。意図的に小さい組織であることで、プロジェクトも少人数で取り組むという体制にし、意思疎通をしっかりして、すべての部門がうまく連動するようにしているそうです。
そのような仕事に対する高い意識が、すばらしい本を生み出している力になっていると思いました。