資格取得の中でも目指す方が多くなじみがある『複式簿記』ですが、イタリアが発祥の地というのは知っていましたか?
イタリアの数学者が広めた『複式簿記』
1494年にイタリアの数学者ルカ・パチオリ(Lucas Pacioli)が出版した『ズンマ』という数学の本の中で「計算および記録詳論」という項目で複式簿記について詳しく紹介されているそうです。
ルカはイタリア北部の小さな田舎町に生まれましたが、小さい頃から文法・討論術を学び、さらに当時の有名な芸術家や数学者からも教えを受けました。若い時にイタリアのベネチアへ行き、大商人の家庭教師をしながら、数学者としての基礎を築きました。30歳になり僧団(特別の修行に従う僧の集まり)に入り、その後ピサ大学、ボローニャ大学などの大学で数学を教えてました。『ズンマ』を出版したのは49歳のときでした。
実は同じくイタリアのベネディット・コトルーリという裁判官が1458年に書いた『商業と完全な商人』が複式簿記についての最初の解説書でした。ルカの『ズンマ』より36年前のことでしたが、この本の原稿は115年間、ナポリの地で誰の目にも触れずに眠っていたそうです。
この『ズンマ』により商人の街ベネチアだけでなく一般の人にも複式簿記が広まるきっかけとなったそうです。500年以上も前からの基本原理は現在の複式簿記にもほとんど形を変えずに残っているそうです。